デザイン初心者

コンセプトメイキングの方法 — 作品づくりの最初の重要な段階です。

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コンセプトメイキングの方法 — 作品づくりの最初の重要な段階です。(朝日広告賞応募の記事の5回目)。
コンセプトメイキングに関する記事はこちらにまとめました。準備やアイデア出しのヒント、まとめ方などについて、こちらに追記したりまとめていきます。(少し長くなるかも知れません。)
今日 3月19日(土)中の課題を決める。
明日 3月20日(日)からは作品づくりに入る(最初の段階はコンセプトメイキング)
来週 3月26日(土)までにコンセプトを決める。
来週 3月27日(日)からビジュアルを作成したり、データ化していく。
というスケジュールを想定しています。


コンセプトメイキングの準備

広告主や商品について調べる

知っている商品を課題に選ぶと、この段階が楽です。
購入できるものは購入して、使ってみるといいと思います。
何もかもことごとく知る必要はありませんが、イメージを湧かせられそうな程度、ユーザー目線での理解くらいには知っておかないと、ズレてしまいます。
「効能」とか「売り」になっている特徴は、ハッキリさせる必要があります。

類似品、同業他社など、ライバルについてチェックする

類似商品やブランドなどと、広告主の商品の違いが発見できると、コンセプトにつながりやすくなります。

広告主が発行している媒体をチェックする(雑誌や広告、CMなど)

何もかもことごとく知る必要はありませんが、イメージを湧かせられそうな程度には見ておくようにします。
特に同一商品の広告は、「新しい風をもたらしてくれる作品」という朝日広告賞としてのお題がありますので、アイデアのカブリを防ぐためにも必要です。
広告主サイトのバナーやYouTubeでCMなど動画があれば、ぜひ見ておきましょう。

…ここまでくれば、何かすでにアイデアを思いついているかも知れないですね。
ですが、パッと思いついたものというのは、誰でも思いつきそうなものである可能性が高いです。

普通の広告なら、それもアリかも知れませんが、賞をめざすためには、もっとつっこんでいく必要があります。
そこをコンセプトメイキングでやっていきます。

アイデアスケッチをするためのノートやスケッチブックも用意

個人的には無地がオススメです。
「素材として使えそうなイメージ」を描けたときには、そのままスキャニングして使えて便利です

広告サイズ

課題を選んだら、作品をつくるためのコンセプトメイキングを始めますが、その前に「広告サイズ」を選んでしまった方がいいと思います。
あとで変更してもいいのですが、アイデアスケッチをするときに、サイズについてイチイチ悩まなくてすむので、スタート時点では、どれかに決めてしまうことをオススメします。

広告はインパクトが大事です。

だからといって、大きければいいというわけでもありません。
コンセプトを表現するのにふさわしいサイズというのもあると思います。
例えば「全15段」を選んだとして、「全15段」はタテ長ですが、「このイメージなら横長がふさわしいな」と思ったときに変更するなどです。


押さえておくべきこと

課題からズレないようにする
ターゲットとユーザー

課題の中に新しいターゲットが設定されているものもあります。
でも、もしも設定されていなくても、ターゲットは新しく獲得したいのがクライアントです。
だから、従来のユーザーに加えて、どんな人をターゲットにしていくか、
また、そういうターゲットをひきつけるためにはどうしたらいいか、という問いかけは、新しい切り口へのヒントになるはずです。
(注)従来のユーザーを損ねたりするのはNGです。

広告はインパクトが大事

人は広告を「見ない」「読まない」「嫌い」「ウザい」。
朝日広告賞は1000人以上も応募する。その中から選ばれなければならない。
こういう壁を乗り越えるような、インパクト、強さが大事

つくることが可能かどうか?

ものすごいビジュアルを考えたけど、それは制作が可能かどうか考える。
大人数を撮影するとか…
有名人を使うとか…
かなり無理なものはあります。不可能なものはNGにするしかありませんが、写真ではなくイラストなら表現できるかもしれないですね。


アイデア出しへのヒント

5W1Hでシーンを思い描く

5W1Hとは…
When(いつ)
Where(どこで)
Who(だれが)
What(何を)
Why(なぜ)
How(どのように)

というものです。
5W1Hが設定されているイメージは「シーン(scene)」(場面)になりますので、色々な場面をイメージしやすくなると思います。

理屈で「5W1Hをすべて設定する」ということでなく、
どれかを手がかりにして、商品をからめて、想像力を発揮してみるということです。

とくにWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)の3つは、イメージに直結しやすいとっかかりになるように思います。

例えば…
Who「誰がその商品を使ったら面白いか?」
どんなキャラクターか? 男か女か? 歴史上の人物はどうか? 架空の人物はどうか? 擬人化した動物や物?…
などなど、手がかりとして想像してみるとか。

When
昨日、今日、季節、時間、現在、過去、未来、どんな時代?…

Where
部屋の中、外、ビルの屋上、海の上、電車の中、会社、仕事場、テレビの中、どこかトンデモナイところ…

「何がどこでどのようにどうなっていると面白いのか?」など…

5W1Hを手がかりに、さまざまなシーンをイメージして、スケッチをしてみます。

行き詰まったら…

寝る、休む、遊ぶ、忘れる、違うことをする、部屋を掃除する…気分転換、リフレッシュも大事ですね!

行き詰まらなくても…放置して手放す

一旦、押さえるべきことはおさえ、ひととおり考えをめぐらせ、メモしたら、忘れて放置して遊ぶのって、アイデア出しにはかなりイイ感じです。
例えば、明日の日曜日はやれるだけやって、月曜日は、休日でもありますし、完全に忘れて遊んでしまうのもイイと思います。
もちろん、ずっとやっていたければそれはそれでアリかと思います。

ユーモア

ちょっと「ふふっ」と笑ってしまうような、ウィットに富んだユーモアが出てこないかな?

漫画にしたらどうか?
ストーリーを考えたり
造形でアプローチ

色、形、テクスチュアはどんなもの?
色、形、テクスチュアを意外なものに変えたらどうか?
思い切った構図、思い切ったトリミング…

すでに愛用の商品なら

自分のオリジナルな使い方は、新しいユーザー獲得への切り口になるかも?

すでに描いたアイデアスケッチをいじる

いじったり、何か別のアイデアスケッチへの切り口として使う。
もっとずっと描き込んでいくと何か別のアイデアへ結びつくかも知れません。
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これだ!というアイデアが出てきたり、絞られたら…

さらにそれを煮詰めるというか、ブラッシュアップするというか、
「これは本当に一番いいか?」
「このコピーでいいか?」
「このビジュアルでいいか?」
「気になるところはないか?」
など、自分で問いかけをして、アイデアに磨きをかけていきます。

別のページや別の紙に、もう一度整理してアイデアスケッチを描きなおすのもいいと思います。

一晩寝かせてみます。
気になったらさらに直します。
寝かせてみてもOKなら、OKです。

「これで良い!」と思ったら、実際の作業にとりかかります。


おわりに

コンセプトメイキングの方法はいろいろあるようです。
「これさえやれば万事OK」というものではないと思います。
高名な方々が本にされたりしています。
そういうものも参考にされるのも良いと思います。

そういう中、わたしのような、大したことはない有名でも何でもない一デザイナーが、コンセプトメイキングについて語るのもおこがましいようで、恥ずかしさもあるのですが、上記の、特に5W1Hを使った方法は、わたしがデザイナーになろうと頑張っていた初心者だったころ、ある人から習った方法で、なかなかアイデアが出て来なかったときにとても助けになったものです。

とくに初心のころは、言葉は出てきても「イメージ」を描くことに苦労するような気がします。

5W1Hを使ったこの方法は、サムネイルスケッチなどというものでさえ、何だか描くのにドキドキしていた、ゼロ初心者だった自分が、一歩前進できた方法だったとも言えます。
何かをマネするのではなくて、「自分自身の中からも、色々出てくるものなのだ」というところを、楽しんでいただければと思います。

もしかすると、「一歩前進」のためには、すでに雲の上のような存在の方々の素晴らしい発想法よりも、とりかかりやすく、初心者向きかも知れないと思いまして、ブログで紹介してみることにした次第です。

わたしは、朝日広告賞の賞を受賞したこともなく、その上、あまりハイレベルな広告系の仕事に縁もなかったので、こういう面では初心の頃と大して変わっていないようにも思います。
でも、小学一年生は、大学生の説明よりも、小学二年生のお兄さんの説明の方がときどきわかりやすいこともあるかも知れないとは思います。

この記事については、Yahooの知恵袋のアンサーのひとつぐらいに考えていただければと思います。


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このブログの運営者


Ema。性別:女性 年齢:50代前半。グラフィックデザイナー。現在フリーランスデザイナー歴約2年。元勤め人デザイナー歴約15年(失業期間含む)。高齢でデザイナーになった高齢者デザイナーです。40代で3度解雇になるなど、転職経験も豊富。

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