私は40代になってから、数回、デザイナーとして就職活動をしました。
最初の転職は41歳のときでした。
ある日突然、「明日から替わりの人が来るから、引き継ぎ次第やめて欲しい」
と、上司から言い渡されたのでした。
ショックでしたが、そんな風に言われた会社にしがみついていても仕方ないと思いましたし、
実をいうとやめたい気持ちもあったのです。
でも、41歳という年齢を考えたときに、
「本当に次の仕事が見つかるのだろうか?」という恐怖感で、
自分からやめることは考えてはいませんでした。
やめたかったのは閉塞感だけだったかも知れません。
具体的にどうということはなかったのです。
わたしは、こんな風に、まるで漫画のストーリーか何かみたいに、
クビになったのはショックでしたが、
一方で、開放的な気持ちもありました。
「これで堂々とやめられる」みたいな…。
引き継ぎは一週間もかからず、わたしは会社を後にしました。
会社都合なので一ヶ月以上、在籍して給料ももらいながらブラブラしていられるのが嬉しいと思いました。
ちょっと遠くに出かけてみたりもしました。
でも、まもなく、とてつもない恐怖感がやってきました。
「ホームレスになってしまうかも知れない」という恐怖感です。
これは、「死の恐怖」に似ています。
「とんでもないことになった!」と、次第にパニックになっていきました。
41歳のときの転職活動は、自分からすすんでした転職活動ではなく、
向こうからやってきた転職活動でした。
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