グラフィックデザインとは何か?
デザインの定義について、2記事目を書きます。
デザインというものを定義する言葉はいくつかありますが、今日のお題は「整理整頓」
「デザインとは整理整頓である」
これもいい得て妙で、これでデザインのすべてを物語っています。
会社の新入社員へデザインを教えることをイメージして記事を書いていますが、
デザインについての定義なんぞを書いているのは、
「ふーん、なるほど、デザインってこうすればいいのか!」というところを、どこかで腑に落ちてしまうと、一気に仕事がイメージでき、急にできるようになるのではないかと思うからです。
「デザインとは整理整頓である」ということについてですが、
本棚をイメージしてみてください。本棚はこれからデザインしようとしているA4サイズの1枚の紙だと思ってください。
まず、本棚に入れるべき本を選ぶことにします。
A4の用紙は、美術展か何かの案内のチラシだとしましょう。そこに入れるべき要素を決定します。
本棚に入れるべき要素は「本」ですが、グラフィックデザインで入れるべき要素は「情報」です。
「情報」は、文章だけでなく、写真などの画像やイラストも含んでいます。
本棚には雑然と本や資料が入っています。
A4の用紙はイラストレーターというソフトで作ることにします。
そして、とりあえず打ち合わせで聞いた、関係のありそうな要素(情報)は全部おいてみます。
きちんとしていなくていいです。
・写真などのビジュアル、使えそうなもの全部(建物の外観とか?)
・美術展なら、支給された展示作品や説明があるかもしれません。
・タイトルやキャッチコピーなどのテキスト要素(期間なども必要かも)
・もっと詳しい説明(会場へのアクセスとか)
・美術展の案内なら地図も必要かもしれません。
イラストレーターで作る前に、別の紙に鉛筆などでだいたいのイメージを描いてみて、
この段階である程度、要素を決定してしまうと作業が速く進みます。
慣れないうちは、原寸で描くと、実際の大きさがわかって良いと思います。
でも、もっと小さくスケッチしてもいいです。
小さいのはサムネイルスケッチといいます。(サムネイルとか、サムネとか略して言います。)
ここで
「要らない本や資料は捨てて、必要な本だけ、きれいにいれる」(本の整理整頓)
「不要な情報は削除して、必要な要素だけ、きれいにならべる」(情報の整理整頓)
デザインをするということはこれだけです。
とても簡単でしょう?
グラフィックデザインは、コミュニケーションデザインと呼ばれるもののひとつです。
誰かが誰かへ何かを伝える、その伝えたい情報をわかりやすく整理整頓して形にして見せるということなんです。
だから、グラフィックデザインというと多くの人はイラストとか絵とか、ビジュアルをイメージしがちですが、
個人的に一番大事なのは文字だと「わたし」は思っています。
実際、何の文字も入ってないビジュアルは、ただの写真かイラストか何かでしかありませんが、
ビジュアル的な要素が一つも入っていなくても、しかるべき文字が入っていれば、デザインとして成り立つのです。
「必要な要素をきれいにならべる」というのは「必要な要素をわかりやすくならべる」ということだと思ってください。
とても大事なことは大きい文字にした方がいいかも知れません。
補足的な要素は、小さくした方がいいかも知れません。
小さくといっても限度があります。「読みやすく」というのが一つの目安になります。
余計なものは、伝えたい内容の邪魔になってしまうかも知れません。削除しましょう。
等など、気を配らなければならないことはたくさんあるように思えますが、
「誰が誰に何をつたえたいのか」
「どうやったらわかりやすいか」
という観点でみていくと、答えは意外とはっきり見えてくるかも知れません。
今回例であげた美術展の案内なら、
「誰が」=「美術展の開催者が」(こういうのをクライアントといいます)
「誰に」=「美術展に来て欲しい人」(こういうのをターゲットといいます)
です。
通常、クライアントは、ターゲットをある程度具体的に設定しているものです。
「こういう人に来て欲しい、使ってほしい、買って欲しい」等
だから、必ず確認するようにしましょう。
「どうやったらわかりやすいか」と同時に「どうやったら魅力的か」ということも大事です。
こういう観点で「情報の整理整頓」をするようにしましょう。