以前、勤めていた頃、フリーランスのデザイナーになりたいと思って、「独立するには」とか「フリーになるには」みたいな本を色々読んでいたことがありました。
でも、そういう本を読んでいた当初は、全くフリーになるなんて無理に違いないという感じだったのですが、実際フリーになったときには、その手の本は一冊も読まなかったので、本はあまり参考にはならないのだと感じました。
とくに「クライアント3人必要」という定説は疑わしいと、個人的には思います。
クライアント3人自分についてくればという呪縛
よく、フリーになるには、クライアント3人必要だって言いますよね。3社と取引が必要だとか。でも、これって、呪縛中の呪縛だと思いました。将来的にはわかりませんが、まず、わたしは1社との取引だけでフリーになりました。
(この記事の場合のクライアントの定義は、ワークフローの中の施主ではなく、取引先ということです)
…というより、最初からいきなり3社というのは無理じゃないかと思いました。自分でイチから営業するという人(そんな人いるのかどうか知りませんが)なら、話は別だと思いますが、勤めていた会社から仕事をもらうような形なら、まずその1社からが普通ではないでしょうか。
本に書いてあることって、あまり信用しない方がいいと思いましたね。多分、本を出すくらいの人たちだから、それなりに力もあって、何年も立派に仕事を回してこれたのだとは思います。
でも、それだからこそ、もっと一般的なフリーにはお手本にならない話が多いのではないでしょうか。ゼロからいきなり成功するのって無理ですから、第一歩は「1社から」「一人のお客さんから」でスタートを切ってしまえば良いのではないかと思います。
まんべんなく3社ではなくていい
また、3社あれば安定するというようなことも聞きますが、それもかなり無理があります。1社がどれくらいの仕事量を出してくれるかに寄るのではないかと。
もし3等分であれば、1社だめになったら収入は3分の2になってしまいます。わたしは、たくさん仕事をくれるメインの1社があって、その一つだけでも食べて行かれるところにプラスアルファで別の会社と取引があるというくらいの方が安定すると思います。
それだと、「その一社がだめになったときに一緒につぶれる」と言われそうですが、そうなったなったときに考えれば良いのであって、十分に仕事をくれる一社の仕事を押さえてまで3社にこだわる必要はないのだと思うのです。取引が3社の人だって、「3社が同時にだめになったときに一緒につぶれる」のは同じなのではないかと。
まあとにかく、「3社と出来なければフリーになれない」という呪縛でフリーになりたくてもなれない人は、ちょっとアタマを切り替えただけでフリーになれる可能性は大きく広がると思います。出だしから完璧である必要はないので。