アイデアスケッチ、コンセプトメイキングについての概要 をお話します。(朝日広告賞応募の記事の4回目)。
●アイデアスケッチ
アイデアスケッチというのは、「思いついたアイデアを、ビジュアル化していく」ということで、えんぴつなどのサムネイルスケッチを使ってやっていきます。
サムネイルスケッチは小さいスケッチということですが、描きやすい好きなサイズでいいです。
無理に小さく描くことはないです。
●コンセプトメイキング
作品をデータとして作っていくときには、「ひとつのコンセプト」が決まっていなくてはなりません。
その「ひとつのコンセプト」を導き出すために、いくつもの「コンセプト候補」を考えていくのがコンセプトメイキングです。
●コンセプトだの、アイデアだのって一体何なんだ?
「コンセプト」とは、別の言葉で言い換えれば「切り口」です。
「切り口」というのは、
切る手並み。また、方法。物事を批判したり分析したりするときの、着眼や発想のしかたなど。「新しい―で批評する」
(▶コトバンクの説明より)
「コンセプト」というのは「あたまの中で思っている状態のもの」なので、それをメモとして形に残していくのが「アイデアスケッチ」です。
「アイデア」というのは「コンセプト候補」ということです。
コンセプトメイキングに関しては、色々な本等も出ていると思いますが、かなり「言葉だけのメモ」を使っている気がします。
でも、広告のコンセプトは、「コピー+ビジュアル」でセットで表現されるものです。
広告は「見た目」が色々な意味でとても大事です。
ですから、デザイナーが広告のコンセプトメイキングをしていく場合は、「キャッチコピーとビジュアル」の両方をメモしてしまうようにします。
そのメモがアイデアスケッチです。
アイデアスケッチは、コンセプトメイキングと同時進行でやっていきます。
注)上の例は、描く手順の説明のため、わざと抽象的に描いていますが、アイデアスケッチは、もっと「コンセプト自体が具体的にはっきりわかるように」ある程度詳しく描いていきます。
●量ではなく質
アイデアスケッチは、アイデアスケッチをすることが目的なのではなく、「一つのこれだ! というコンセプト」を導き出すためにするものです。
ですから、以前の記事で20〜30くらいは…と書いてしまいましたが、誤解を招きそうなのでこれは訂正します。(すみません。)
極端な話、アイデアスケッチ自体は1つでもいいです。「これだ!」というものが出てくれば、今回は何案も出さなければならないわけではないので、秀逸な1案を出すことが目的です。
ですが、あまり何も考えていない状態での思いつきの1案が、「ビンゴ!」という可能性はかなり低いと思います。
大事なのはアイデアスケッチの数ではなく、「思考の量」であって、色々考えたことを書きとめていくと、結果として、アイデアスケッチの数は多くなるだろうということで、20〜30というようなことを書いてしまいました。
でも、20〜30というのは人によっては「少ない」かも知れません。「多い」かも知れません。
だから、「たくさん考える」というようにとらえていただければと思います。
また、これもまた例えばの話なのですが、アイデアに100点満点で点数をつけるとして、50点のアイデアを30個よりも、120点のアイデア1個の方がいいです。
50点のアイデアを30個描いても、どれを選んでも50点にしかならないからです。
上記の例、仮に10点だとして、
「もっとよくならないか?」と、これ自体をいじくりまわしたり、もっと別のもっと良いものを…と、質を高める手段として量をこなすのだというように思っていただければと思います。