★プロとアマの違いとは?
グラフィックデザインは、実はどんな人でもやっています。
意識しているかどうかは別ですが、ワードやエクセルを使って、デザイナーではない人でも、チラシなどはサクッと作ってしまいます。
特にパソコンが普及してからは、それこそ誰でもデザインができるようになってしまったといっても過言ではありません。
でも、どうしてお客さんはプロにデザインを頼むのでしょうか?
プロとアマチュアを分けるものは、
「速さの差」と
「仕上げの差」
だと、わたしは思っています。
「速さの差」を身につけるのには、仕事にスピードがなくてはなりません。
ただ、デザインは、DTPオペレーションが出来るということだけではだめで、
アイデア=考える、ということにもスピードが必要になってきます。
「仕上げの差」は、クオリティの差です。
グラフィックデザインは、平面上のものなので、
家を建てるようなこととは違って、どこかおかしなところがあっても、
それなりに成り立ってしまいます。
クオリティをアップしていくためには、まずは「クリーンに出来るかどうか」ということが必要になってくると思います。
だから、最初は、多少時間がかかっても、細部まで丁寧にやるようにします。
また、アイデアが良いかどうかということも同時に必要になってきます。
アイデアを出す「速さ」と「クオリティ」を手に入れるのには、
デザインについて知っていかなければならないと思われます。
それから、ホスピタリティのようなものは、「仕上げの差」を生み出していきます。
ホスピタリティというのは、「おもてなしの気持ち」です。
例えば、レストランや旅館などの食事のメニューのコラムを作ることになったとします。
旅行の雑誌やパンフレットなどでときどき出てきます。
ただ、スミ100%のケイ線で囲むだけでも、メニューのコラムとして用は足りるかも知れませんが、「おもてなしの気持ち」を持っていれば、背景にペーパーのテクスチュアを敷いてみたり、エレガントなオーナメントで飾ってみたりということができると思います。
別の記事でも書きましたが、グラフィックデザインはコミュニケーションデザインです。
「誰かから誰かに何かを伝える手紙のようなもの」と考えることもできます。
手紙を書くときに、素っ気ない白いコピー用紙やレポート用紙に書くよりも、ちょっと素敵なペーパーや便せんに書いた方が、受け取った人は嬉しいのではないでしょうか。
これが、「ホスピタリティ=おもてなしの気持ち」の原点にもなる発想かと思います。
そして、このことが、プロとアマチュアの明暗を分ける「仕上げの差」につながっていくのではないかと思われます。