今日は「デザインのダメ出しで、心がキズつかないためにはどうすればいいか?」というテーマで書きたいと思います。
このことは、特に、超初心者には重要かつ朗報かと思いますvv
もしかすると、このテーマについて、真っ先に書くべきだったかも知れません。
答えを先に言うと、
「なぜそのデザインなのか理由を考える」
です。
「デザイナーになりたい」と思っている頃は、
大きな勘違いをしていることがあります。
「デザインは、才能である」
「自分は才能があるような気がする、でもないような気もする、どっちだろう?
あまり自信がない。でもデザインはやってみたい」
逆に「自分は才能がある!」と思い込んで自信満々。
というような勘違いです。
自信があってもなくても、これから始めようとしていたり、始めたばかりだったりするときは、この「才能」というものに振り回されてしまうことがあります。
そして、何か、自分で一所懸命作ったものを、誰かに(先生とか上司とか先輩とか友達とか家族とか…)に見せるときに、
「これでダメだと言われたら才能がないのだ」
「ダサイとか言われたらどうしよう?」
などど、天国へ行くか、地獄へ堕ちるかの人生の最終審判でもやっているかのような気分を味わってしまったりして。
こんなときに「OK」と言われたり褒められたりすると、
「やっぱり自分には才能があった!」
なんて、かえって自惚れたり舞い上がってしまったりして。
逆に「ダメ出し」されたら、
「穴があったら入りたい」
「もう生きて戻ってはこれない」
「もう家へ帰りたい」
「明日からは会社(学校)へはもう、顔を出せない」
「やっぱり自分には才能はないのだ…」
などと、深くココロがキズついてしまったりして。
これに対する特効薬が、先にお話しした、
「なぜそのデザインなのか理由を考える」
なのです。
デザインを、センスや才能やら、なにかあいまいなものでやらないようにします。
・なぜそのアイデアか?
・なぜそのレイアウトか?
・なぜその色か?
・この文字だけ、この写真だけ大きくしたのはなぜか?
・なぜそのイラストか?
・なぜそのフォントか?
・なぜその………など
デザインは、「あいまいなもの」「何だかわけがわからないもの」は一切おいてはいけないのです。
何かアイテムを置くのであれば、必ずそれを置くだけの理由がなければなりません。
そのデザインをしたのは、何か必然性があってしたはずなのです。
そのデザインをしたのは、自分の好みやセンスでしたわけではないのです。
このように考えていると、例えダメ出しをされても
自分で設定した理由が間違っていた、多少問題があった、もっと良い方法があるはずだ、等というだけであって、「わたしのセンスやわたし自身を否定されたわけではない」のだということが、だんだんわかってきて、傷つかなくなってくるのです。
現場のデザイナーはダメ出しをされたからといっていちいち傷ついてはいません。
でもそれは、心臓に毛が生えているからではなく、自分自身=才能=センス というものから卒業してしまっているからなのです。
最初のうちは「なぜそのデザインなのか理由を考える」というのは難しく感じるかも知れません。
でも、最初のうちこそ、意識してこう考えるようにしていくことがとても大事なのです。
それは、デザインがあいまいなものやわけのわからないものを置いてはいけないから、というだけではなく、「自分のココロが傷つかないため」にそうするのです。
作品を作るたびに傷ついていては身もココロもモチませんから。
たくさん作ってたくさん見せて、どんどんデザインができるようになって欲しいと思います。
デザインと才能やセンスについて
今日は最後に、デザインと才能やセンスについて、わたしの個人的な考えではありますが、参考までに書いておきたいと思います。
「デザイン=100%才能やセンス」ではないと思います。
ダメ出しをされて、ココロが傷ついてしまうような超初心者は、「100%才能だ」という勘違いをしているのだと思います。
では、デザインと才能は無関係なのか?というと、全くそういうわけでもないです。
普通に勉強してある程度知識を身につけ、作品を作ったりしてトレーニングすれば、
誰でもデザイナーになれると私は思っています。
それだけで普通の仕事はやっていかれると思います。
でも、さらに「もっと上を目指そう」としたときに、才能やセンスが大きくかかわってくるのではないでしょうか?
例えば、何かスポーツなど、誰でも練習したなりにできるようになります。
でも、「スポーツ選手になろう」と思ったら、やっぱり才能がかかわってくると思います。
同じようなトレーニングを同じだけやっても、それ以上上手くなれる人となれない人はいると思います。
デザインも同じようなもので、誰でもデザイナーとしてやっていけるところまでは、
勉強とトレーニングだけでできると思うのです。
ただ、もっと有名になりたいとか、すごくハイレベルな仕事をしたいとか、というのだと、
さらなる勉強やトレーニングが必要だし、また、同じだけの勉強やトレーニングをしたからといって、
誰でも有名デザイナーになれるわけではなく、そこで初めて「才能やセンス」が必要になってくるのではないかと思います。
だから、才能やセンスは全く無関係ではないですが、
通常は「あまり考えなくてもよい」というところが妥当な考え方ではないかしら?と、わたしは思っています。
以上、デザインを始めたばかりの人が「ダメ出し」にココロが傷ついてしまわないように、先へ進めなくならないようにと思って書きました。