正社員として転職活動をしていたときに感じたことです。
40代のデザイナーに、特に求められるのは「ディレクション能力」です。
私が正社員デザイナーで繰り返しクビになった原因のひとつとして、
ディレクション能力がいまひとつ足りていなかったというのがあります。
いや…足りなかったのはいま10かも知れないしもっとかも知れません。
(そんなことがわかったら、能力の欠如は感じないでしょう)
面接のときに
「ずっとMacの前にすわっていたい人は要らないんだよ」
と、言っていたような会社にはもともと受かりませんでしたが、
勤めることになった会社でも、
実際に手を動かすよりも、人を使ってもっと多くの仕事をこなしなり、
お客さんに対して率先力を発揮するようなことを求められました。
でも、わたしは実は「Macの前にずっとすわっていたい人」なのだと、
あるとき気づいたのです。
私はプレイヤーなのです。
それでクビになったのにもかかわらず「ホッとした気持ち」になっていました。
わたしは40代になると急にディレクション能力を求められること自体どうかしていると実は思っています。
デザイナーがプレイヤーだとすると、ディレクターは指揮者。
オーケストラでバイオリン奏者が40代になったからといって、いきなり指揮者になれと言われたら、
それは本当にどうかしていると思いませんか?
デザイン業界も同じことだと思うんです。
わたしは、40代だからといってディレクション能力のないデザイナーを無能よばわりする人や会社は、
その方がどうかしていると今は思います。
でも、なぜかうまくいかないときは、
「ディレクター」とか「アートディレクター」にならなければと無理をしていた気がします。
今は無理はしません。
自分のやりたいこと、できること、本当にここまでなら責任をもって対応できるだろうという範囲とか、
本音の正直なところで仕事をみつければ、早いしラクだし、収入も安定していく気がします。
正社員だからどうとか、派遣だからどうとか、フリーだからどうとかということではないと思っています。