今日は、未経験でのエディトリアル 作品をつくることについて、
ヒントを書きます。
別の分野のグラフィックデザインの経験もない、
デザイナー未経験の人を想定して書いています。
一応ゼロ初心者対象ではありますが、
DTPソフトの使い方やデザイン学校で教えているようなデザインの基礎については、この記事では語っていません。DTPソフトの使い方やデザインの基礎は一通り習った、
さて、それでどうやってデザイナーとして就職活動するために、エディトリアルのポートフォリオを作ろうか、と思っているような方を想定して書いていきます。
まずは作品を作りましょう
ポートフォリオは作品集ですので、ポートフォリオを作る前に、作品をつくります。
当たり前のことですが、ポートフォリオとしてまとめるために、作品をいくつか作っておかなくてはポートフォリオは出来上がりません。
未経験なら、作品は雑誌のリデザインをやるのがやりやすいと思います。
なぜやりやすいかというと、雑誌のリデザインをする前に、「レイアウト模写」をすることをおすすめしているからです。
雑誌は、リデザインといっても、誌面の構造(マージン、版面、本文、ノンブルなど)の全てを根本的にくつがえすわけではなく、そういうベーシックな部分はほとんど踏襲しつつ、「レイアウト=特に写真の配置」、「タイトル周りのデザイン処理」、「背景や帯やショルダーのデザイン」「リード文や小見出しのあしらい方」などを、部分的に変更するだけのものです。
「レイアウト模写」の段階では、まずアイデアを考える前にひたすらマネをして、手を動かすことに集中するので、とにかくあまり新しいことを考えなくて良いという点でも、未経験の人にはとっかかりやすいと思います。
インデザイン(またはクオークなどの編集系のソフト)を使ってレイアウト模写をしますと、具体的な誌面づくりの「ひと通りの作業」が経験できるでしょう。
このように、「レイアウト模写」で、ある程度オペレーションを身につけたあと、「デザインを変えてはいけない部分」と「デザインを変えるべき部分」を理解して、「デザインを変えるべき部分」だけリデザインをすれば良いので、あまり言い方は良くないですが、アタマを使わないで作業からスタートできるので、初めてのときはとっかかりやすいのです。
それに、雑誌のリデザインは、現場でもよくあることなので、そういう面でも良いと思います。
・一年おきに連載ものをリニューアルする
・他社の仕事を自社にゲットするために、同じネタでリデザインをして提案をする
などなど、現場はいってみればリデザインのオンパレードです。
私はデザインスクールに通い、未経験からデザイナーに転職しましたが、
スクールで最初に作った作品が「雑誌のリデザイン」でした。
雑誌のリデザインをいくつかやりましたが、他のものと合わせて、
実際の就職活動にも利用しました。
ただ、もしもデザイナー未経験者なら、かなり根気が要ると思います。
そして出来上がったら、デザインスクールの先生や、
現役のデザイナーに見てもらうことをおすすめします。
私は、ひと通り出来た後、先生に見せて、修正し、
また見せて修正し…というのを繰り返して、
先生のOKが出るまでブラッシュアップしました。
(1作目は、つくり始めてから先生のOKが出るまで、半年かかりました…ベッタリ作業していたわけではなく、働きながらの作業でしたが…でも、2作目は、手順もわきまえていたので、もっとずっと速く作れるようになっていました。そして、回をかさねるごとに速くなっていきます。)
特にこのとき感じたのは、
「なぜ、先生がこんなに細かいところまで修正させようとするのか理解できない」
ということでした。
「自分は全然気にならないんだけど…」
「先生は重箱の隅をつつくかのように神経質すぎる」
など、先生の指摘にうんざりするほど何度も修正しました。
でも、実際に仕事をするようになって、
現場ではもっと修正が多いこともあることがわかりましたし、
先に自分で気になる細かいNGをつぶしておくことができれば、
早い段階での完成度の高さにつながっていくので、
周囲からの評価も高くなることに気づきます。
そして、先生が神経質だったのではなく、
自分がデザイナーとしてまだ目が肥えていなかっただけだということがわかってきました。
だから、デザイン学校の先生や現役のデザイナーなど、
誰かしかるべき人に見せて指摘されたら、
素直に修正してみるのが良いと思います。
未経験であっても、就職したら、すぐに仕事はできるのが前提です。
だから、DTPソフトの習得も兼ねて、根気よくやっていくのが良いのではないかと思います。
それに、おそらく、未経験者がデザイン会社に就職できたとして、
まず最初に頼まれる仕事は、「何かの修正」だろうと思います。
そういう面でも、完成度を上げるために何度も修正することは、良い経験になるはずです。
もしもまだ別の仕事を続けているのなら、時間がかかるものと思って、
仕事はやめないで、準備がある程度すすんでから転職活動した方がいいと思います。
気に入った作品が5つ出来たら就職活動の開始です。
それまでは根気よく、完成度の高い作品を作り貯めましょう。
では、雑誌のリデザインの手順を説明していきます。
雑誌のリデザイン概要(未経験の方におすすめ)
リデザインというのは、「デザインのしなおし」です。
今ある文章や写真などの要素はそのままで、「イメージを変える」のが、
雑誌のリデザインです。
-
- 雑誌のリデザインするページを選びます。
- 雑誌をスキャニングして、写真や図版、テキストなど、原稿を準備します。
- インデザインなどDTPソフトで完全に作り起こします。(レイアウト模写)
- レイアウト模写したものをデザインしなおします。(リデザイン)
ある程度慣れている人は、レイアウト模写は省いて、
原稿を準備したらすぐにリデザインをしてもいいと思います。
でも、初心の方にはレイアウト模写はオススメです。
これ自体は作品にはなりませんが、DTPソフトの習熟にとても役に立ちます。
次のリデザインもオペレーションの面ではとてもラクになるはずです。
それから、デザインした人の考え方を理解するのに役立ちます。
個人的には、レイアウト模写は大好きだったので、
リデザインをする前にはまずレイアウト模写をやっていました。
では今日はこの辺で。
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