今日は、「雑誌のリデザイン」について書きます。
未経験でデザインをやってみようというときにとりかかりやすくてオススメです。
これまでの記事で説明してきた「レイアウト模写」はやってみましたか?
このレイアウト模写を終えたところを想定して書いていきます。
●同じ雑誌でのリデザイン
レイアウト模写と同じ雑誌で、「別の案を出して欲しい」という設定でやってみましょう。
文字原稿、図版原稿、画像原稿という要素は全く同じで別の切り口のレイアウトをするということです。
ただし、図版原稿は、デザインを変えてかまいません。
図版原稿は、そのレイアウトに合わせたデザインになっていることが多いからです。
・変えてはいけない部分
ノンブルとページサイズ
ノンブルは変えないようにしましょう。その雑誌でのお決まりのものだからです。
本文の組方向
コラム的な扱いで、縦組の雑誌に横組があることは多々ありますが、
基本的な本文は、たて組ならたて組のままにします。
本の開く方向が変わることはないので…
・変えるのに注意が必要なところ
基本的な版面、マージン
これは少し変えてもいいです。何の効果もないのにむやみに変えるのはよくないですが、ゆとりを表すためにわざと版面より小さくしたり、
周囲に囲みの帯をデザインするために小さくしたり、
天地にゆとりを出すために1文字ずつ文字を削って、短めの段組みにしたり、
また、全く別のフォーマットをデザインするために段組みそのものを変えて提案したり…などなど、版面からずらすことはあります。
●別の雑誌でのリデザイン
この場合は、フォーマットを別の雑誌のものにすべて変えます。
ノンブルや版面も、ねらっている雑誌のフォーマットに変えた上で、
さらに違ったデザインに見えるように変えていきます。
●イメージを変えるためには
写真のレイアウトを変える。
レイアウトは見開きのものであれば見開きで考えます。
写真の点数に注目してみます。写真は何点あるでしょうか?
写真がもし7点だとしたら、他の色々な雑誌で、7点の写真で構成されているレイアウトを探してみましょう。また本屋や図書館に脚を運ばなければならないかもしれませんが、ネットでも画像でレイアウトがみれるものもあります。
何か良いお手本が見つかったら、それを参考にしてレイアウトを変えてみましょう。
最初に鉛筆などでサムネイルを書くようにします。
今回一度だけでなく、普段から、レイアウトに注目して色々みて、蓄積していきます。積み重ねると引き出しが増えていきます。
サムネイルができたらMacでサムネイルのようにざっくりと置いてから、
細かいところを修正してしあげていくと速いです。
・タイトル周りのデザイン処理
これはまず絶対に変えましょう。
タイトル周りが変わって見えるのが最も印象が変わって見えます。
その雑誌のそのページに合っているデザインであれば何でもいいので色々試してしっくりくるまでやってみましょう。
・タイトルの組方向を変える。
縦組なら横組に、横組なら縦組に変えます。
・タイトルを、メインの写真の中に入れたり外に出したりしてみます。
・柱のデザインを変える。
●デザインを変える方法は無数にあります。
・色を変えたり、
・テクスチャやパターンを入れてみたり、
・けい線を使ってみたり、
・写真の大小のコントラストを強くしてみたり、
(写真の大小関係は変えない方がいいです。編集が決めることが多いので)
●デザインはマネから
もちろん、そっくりそのままというのはいけません。
考え方をマネしましょう。
例えば…
・手描き風のけい線が素敵だ、と思ったら、
それをそのまま持ってきてしまうのではなく、
自分なりの手描き風のけい線を描いて使います。
・色使いだけをマネしてみる。
マネしたい配色を見つけたら、
自分のレイアウトのどこに配置してみたらいいか考えてみましょう。
・前述したように、写真の配置(レイアウト)だけ、マネをしてみる。
すみません、ここには書ききれないほど、やり方は色々あります。
特に有名な雑誌を元にしていると、
自分のデザインが劣っていてもあたりまえだと思いがちです。
でもこれは間違いです。
実のところ、デザインは有名でも無名でも、善し悪しにはあまり関係ないのです。
無名でも良いデザインをするデザイナーは沢山います。
元のデザインがどんなに良いと思っても、
自分のデザインの方がさらに良くなるように、
少なくとも同じクオリティを保てるように頑張ってみましょう。