「グラフィックデザインの配色はセンスよりも知識」ということを書きたいと思います。
配色をするには、技術というか、コツのようなものがあります。
今日はそれを少しお話しします。
でも、少しだけです。
ケチるつもりはありません。
コツはたくさんあるのです。
だから、わたしが知っているものの中から幾つかお話ししたいと思います。
まず、基本を知ること
基本的な色のルールはまず勉強して理解しておきます。
・三原色について理解する>>>参考記事
・色相、彩度、明度について理解する>>>参考記事
・トーンについて理解する>>>参考記事
・CMYKについて理解する
・特色について理解する
・Illustorater、Photoshop、InDesignなどのDTPソフトでの色指定の方法を覚える。
カラーパレットで色の数値を入力したり、適当に選んだり、カラーチップの使い方などを覚える。
・コントラストについて知る。
・補色というものを覚える。
このブログでも説明しているものがありますが、疑問に思ったらググってみましょう。
たくさんの情報をすでにネットで調べられることと思います。
(本当は、美大やデザイン学校に行ければ一番良いと思っています。)
色見本帳を使う
DTPのデザインなら、CMYKの色見本帳を1冊持っているといいと思います。
モニタで見た色と、紙に印刷された色は違うからです。
>>>DICのものが有名です
アマゾンでも買えます。
DIC セルリング型カラーチャート
このカラーチャートは、CMYKの全ての色を網羅しているわけではありませんが、
4色のインクを掛け合わせた数値を参考にするのに便利です。
モニターで色指定をしたあと、このチャートで同じ(または近い)色指定を探してみると、紙に印刷されたときにだいたいどのような色に見えるのか、確認することができます。
また、何か印刷物を見て、「この色を使いたい」と思ったとき、
この見本帳(カラーチャート)を目安に、近い色を探します。
そうすれば、ある程度正確な色指定をすることができます。
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印刷の色というのは、実はかなりアナログな面があります。
だから、この見本帳を見て指定したからといって、ジャストな色が出るだろうということは、あまり期待しない方がいいのです。
印刷の色は、インクのロットによっても微妙に違ってくるのだそうです。
また、印刷物は退色もしていきます。
長年使っていた色見本帳と、昨日買ったばかりの色見本調で、同じ色指定でも違って見えることもあります。
光沢紙とつや消しの紙でも色は違って見えます。
印刷機の機械の調子によっても変わります。
同じデータを印刷しても、今日印刷したのと明日印刷するのとでは、色が変わってしまうこともあります。
CMYKが比較的表現しやすい色と、不安定だったり、表現しにくい色もあります。
だから、色見本帳は、絶対的なものではなく、「目安」として考えるのがベストだと思います。
MYオリジナル色見本をつくる
グラフィックデザイナーは、目を鍛えることがとても大事です。
目を鍛えつつ、色指定(配色を考えてCMYKで指定する)にも自信が出来てくるという、
とても良い方法を紹介します。
A4かB4のクリアファイルを1冊用意します。
それから、色々な雑誌などを見てみます。
チラシなどでもいいです。
雑誌は手持ちのものでも本屋さんに行ってもいいです。
何か「これはいいなあ」と思ったページがあったら、
それのページを切り取ってファイルしていきます。
1日で終わらせようというものではありません。
一年くらいかかってもいいです。
いいなと思わないものはファイルしないでください。
いいと思ったものが見つかったときにファイルしていきます。
そして、ファイルするだけではなく、
そのページに使われている色を、全部先ほどの色見本帳(カラーチャート)と照らし合わせ、
CMYKを調べ、その数値を書いておきます。
これは、「色をどうしようか?」と迷ったときに、
このファイルの中から選んで色を決めることができるという、
自分のオリジナルな見本帳になるのです。
しかも、いちいち色見本帳で調べていきます。
そのときに、調べる前に、自分なりにCMYKを予測してみます。
この予測してみるのって、かなり大事です。
というのは、そもそもカラーチャートのような大量に色が載っているチャートから一色だけ選ぶときに、
「だいたいどのあたりに色が載っていそうか?」
ということがわからないと、適切なページを探し当てることができません。
思っていた指定と違っていたら、
「もっとイエローが入っているかも知れない」など、
また別の予測をたてて別のページで近い色を探していくようにします。
目のトレーニングだと思ってやってみてください。
「配色のコツとか言って、色の基本の話だけだったじゃないか!」と、
この記事を読んでがっかりだったらすみません。m( _ _ )m
でも、もし、全くの初心者であるならば、配色のコツとして真っ先に挙げるとすれば「色について基本的な知識を身につける」ということです。
色の知識を理解すればした分だけ、配色のバリエーションが広がってくると思います。